1981年10月に発売、大ヒットを記録したシングル「悪女」を含むアルバム。その「悪女」は、シングル版とは趣きの違うソフトなロックアレンジになったヴァージョンを収録。美しいストリングスのイントロダクションに導かれて淡々と、しかし優しく救えない苦しさを歌った「鳥になって」、世の中の寂しい日常をさり気ない風景で描写した「時刻表」など、今日でも聴かれ続けている名曲をつづったアルバム。(谷崎俊太)
歌姫は横綱級の名曲
★★★★★
このアルバムには横綱級の名曲「歌姫」が入っている。私には、それだけで充分。
独身の予感
★★★★★
「歌姫」をはじめて聴いたとき、「ああ、この人は一生独身でいるんだろうな」と漠然と思いました。はからずもその予感は当たってしまったようです。
魔女の辞典
★★★★★
中島みゆき変感期。愛に溺れ愛に飢えていた時代から
望む愛、望まれる愛、純愛を見事に歌い切った、彼女の中間地点の作品。
それまでの彼女の価値観は「受け身」の許されない愛だったが
この作品を境に「追いかける愛」に変貌したのは聴いてみれば解るはず。
題名でもあるように「寒水魚」とは今の彼女を具現化した題名。
私なら「夜光虫」とでも名付けるのだが、そこはそこ。
歌姫は静かに、だけれど確かに君臨している。
この感覚・・・わかりますか?
★★★★☆
歌詞から情景を連想しながら、聞き込むと疑似体験しながらリアルな恋愛感情がシーンごとに浮かんできます
5年、10年と月日は経過してから聞き返すことを、猛烈にお勧めします。「あの時」「あの感情」「あの情景」がよみがえります。
失恋のイメージが強いのですが、ひとつとして同じもの(同じようなもの)も、ひとつもありません。
お勧めは「ほんの捨てるほどの愛でいいから」という曲。こんな歌詞はほかの誰も書けません。
みゆき嬢の良き時代の傑作LP
★★★★★
当時高校生の頃、レコードLPの時代に、よくみゆき節を聞いたものである。独特の雰囲気を持っていた、みゆき嬢の存在であった。ブラウン管に全く登場しない、コンサートだけの活動であったが、田舎に住む高校生にとっては、コンサートに行けるはずもなく、大変神秘的な存在であった。しかし、ラジオの電波は、田舎でも届き、オールナイト日本のDJとのギャップに、わくわくしながら青春時代を過ごした思い出が蘇る。
久しぶりに、この時代のアルバムを大人買いして聴いてみると、楽曲のすばらしさが思い起こされる。20年近くみゆき嬢の歌から遠ざかっていたが、最近のアルバムも買って聞いているが、やはりこの頃「臨月」「寒水魚」「予感」このあたりの曲が私にとっての、「中島みゆき」である。特に「寒水魚」の中の「時刻表」、「予感」の「ファイト」の歌詞は、今の時代においても、相通じるものがあり、時代を見ぬく力、時代風刺に共感を覚える。