さっぱり理解できなかった
★★☆☆☆
皆さんの書評とは違い僕はサッパリ分かりませんでした。例え話にも無理があるような気がしました。
ただものすごく不思議であることは分かりました。こんな仕組みや構造が自然に発生したとは絶対に思えません。
DNA複製の演出家DNAポリメラーゼ
★★★★★
本書の主役は、DNAというよりも、その複製を演出する「DNAポリメラーゼ」というタンパク質である。このタンパク質にはα、δ、ηなど様々な型があるが、それぞれが果たす役割を、これまでにわかっていること、まだ解明されていないことを整理しながら解説している。
本書には、著者の武村氏が「あとがき」で述べているように、若い方々(主に高校生だろう)に対するDNAポリメラーゼ研究への誘いといった目的もあるようで、そのためDNAがコピーされるとても複雑な課程を、様々なたとえを使うなど、工夫を凝らしてできるだけわかりやすく記述している。
こうした著者のスタイルが、本書を読んでいると伝わってきて、たいへん好感の持てる佳作である。
負の遺産かなそれとも正の遺産かな?
★★★★★
著者の性格なのでしようか?丁寧に書かれてあって非常に好感がもてます。
DNA転写に関する現在迄判っていること、まだ判らない事を明確に分けて書く等
この分野の最前線の肉声が聞けた様で楽しく読ませていただきました。
DNAばかりでなく、所詮人間自体が過去の分化の継承を引きずっているのでしよう。
現在システム工学等に従事している方なら、決してこんな手間がかかり、非安全な
転写の方法は設計しないと思います。必ずや将来はもっとエネルギー的に効率の良い
システムへ取って代わる様な進化の可能性が十分にあると感じました。残念ながら私は
それまで生きていないと思うし、又
それまで人間という種が残っていればの話ですが・・・・?
すべて私たちの体の中で起きていること!
★★★★★
人は母のお腹の中で大きくなり、生まれた後も背が伸びる。これらみな細胞分裂の為す業。
分裂中の細胞では、DNAが複製されている。このDNAの複製により、体の設計図がすべての細胞に遺伝されるわけだ。そのDNAの複製のしくみを追うのがこの本。
「DNAポリメラーゼ」という言葉をどこかで聞いたことがあるかもしれない。このDNAポリメラーゼがDNA複製を担う仕事人だ。この仕事人はいろんな職種があって、それぞれが複製直前のDNAに寄ってたかって、各々の役まわりを果たす。
例えば、DNA複製そのものを担当する“主役”はDNAポリメラーゼα(アルファ)、δ(デルタ)、ε(イプシロン)。本ではDNAポリメラーゼ3姉妹として喩えられている。3姉妹で協力しあいながら複製をしていく姿が描かれる。
一方、この主役3姉妹がけっこういい加減な複製しかしないので、後始末として“脇役”のDNAポリメラーゼη(イータ)、ι(イオタ)、κ(カッパ)、そしてRev1などが東奔西走し、ミスコピーを修復する。
学者の性か、書き方は正確性重視。例えばDNA複製の全体像のところは、図はあるものの一度読みだけでは理解しづらいかも(理由はそれまでの用語を覚えていることが必要という不可抗力と、図に未解明の謎まで示されゴチャゴチャしていること)。
正確性がよい結果に転じているところも。テロメアの末端複製問題(細胞分裂のたびにDNAの末端がすり減ることが細胞の寿命を決めているのではという説)がここまで詳しく書かれてある入門書は少ない。
著者はあーでもないこーでもないと比喩を捻り出しながら書いたのだろう。喩え話は効果的。DNA複製のことがわかった気になる。読者の立場を心がけているのがよいところ。
たとえ話しがおもしろい
★★★★★
DNAと聞くだけでなにか難しい内容と考えがちですが,この本はDNAをとても身近な存在として,またごく身近なたとえ話しをふんだんに盛り込んでその複製過程をより平易に解説しているところに共感がもてました.筆者の努力が伺えます.DNAポリメラ-ゼ三姉妹を軸にこぶとりじいさんやシャーロックホームズ,裁縫の返し縫いや赤ちょうちんの話題までそのたとえ話しを追うだけでもおもしろいです.DNAとは,全く縁のない方も楽しめるのでは?と思いました.私達,正確さが求められている世の中で,DNAレベルでこの程度いい加減なら,まあちょっとぐらいのミスも仕方ないかと自分なりになにかホットする気もしました.