哲学者バンビ
★★★★☆
バンビが幼鹿から古老になるまでを追った
ビルドゥングスロマーン(教養小説)です。
最初は甘えん坊ですが、「ひとりでいることができぬのか?」
「自分で聞く、嗅ぐ、見る。自分で習うのだ」と古老から言われ
バンビは世の中のことをいろいろ自分で学んでいきます。
自然の中で生きることの厳しさそして恐ろしい人間の死を目にし、
この野生と人間界を含めた世界の真理を認識します。
自分を保つこと、聡明であること、そして生きることは、
刹那的な楽しみや恐怖や憎しみを超えたところにある。
古老バンビはそう告げているようです。