ミステリアスな世界を味わいました
★★★★★
妙に澄んだエロチックさを帯びたミステリアスな世界へ4つの小道から踏み込んでいく、そしてその小道があちこちでこっそりつながっている、そのような印象を受けました。エロチックさを書くための小説と、ストーリーのためにエロチックさを必要とする小説と官能小説には2種類あると思いますが、この作品は明らかに後者です。というよりも、官能小説というにはストーリー性や文学性が高いかもしれません。その点題名には若干の違和感が残ります。私自身は、練られたプロットに裏打ちされたミステリアスな世界を、ミルクティを飲みながら味わって満足しています。