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双子の妹 (幻冬舎アウトロー文庫)

価格: ¥600
カテゴリ: 文庫
ブランド: 幻冬舎
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【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:松崎詩織/〔著〕 出版社名:幻冬舎 シリーズ名:幻冬舎アウトロー文庫 O-76-2 発行年月:2006年12月 関連キーワード:フタゴ ノ イモウト ゲントウシヤ アウトロ- ブンコ 76-2 ふたご の いもうと げんとうしや あうとろ- ぶんこ 76-2、 ゲントウシヤ ゲントウシヤ 2076 げんとうしや げんとうしや 2076、 ゲントウシヤ ゲントウシヤ 2076 げんとうしや げんとうしや 2076 「それでは始めようか。服を脱いでください」。ファインダー越しの先生の視線を感じながら、静香は身体を開いていく。吐き気がするほどの羞恥と緊張、そして悦楽を味わいながら-。女子大生と大学教授、そしてその妻との奇妙な三角関係を描いた「先生と私」。13歳の美少年に恋をした女教師が禁忌を犯し続ける表題作など全三篇。傑作官能小説集。
しっとりとした筆使い ★★★★★
松崎詩織の作品を読むのもこれで5冊目になるが、表題作も含め3編の中編小説で構成されるこの作品集が、わたしはベストだと思った。おそらく心理ミステリに分類されるのだろうが、作者のしっとりとした、しなやかで、官能的で、繊細な筆遣いが、登場人物やストーリーを丁寧に描いていくと同時に、自分自身の心の襞に触っているような錯覚を覚えた。どの作品も読了後、余韻を感じさせるもので優劣つけ難いが、強いてあげれば女性作家ならではの作品である「陵辱の果てに」をあげたい。
水の魔術師。 ★★★★★
著者、松崎詩織は、「水の魔術師」です。

【水】(液体・気体)を描くのがとても、美しい。
もっと言うと、それは、【水】が介在する男女の交合の怪しい美しさです。
たとえば以下のようです。(【  】での強調は、評者)

「その瞬間、自分の体内から【大量の欲望を滲ませた液体】が溢れ出し、
股間から太腿を伝わって足首まで流れ出した。」
(17ページ)

「由布子は驚きとともに小さな満足を味わい、
【その生ぬるい液体】をすべて飲み干した。」
(17ページ)

「直樹の手から、【結露】に曇った透明なグラスを受け取った。
その瞬間、由布子の指が直樹の指に触れる。
それを直樹が意識したことを、
由布子は彼の隠し切れない小さな動揺によって気づいた。」
(73ページ)

「【湿度】も高い。
【質量を持った空気】が由布子の肌と心を圧迫する。」
(74ページ)

「胸の谷間を【玉になった汗】が、ゆっくりとすべり落ちていく感覚が、
妙にくすぐったい。」
(74ページ)

「淀むばかりで逃げ場のない室内に、
二人の【吐く息が飽和】していく。」
(75ページ)

「直樹の瞳が【柔らかく濡れていく】。その中に由布子の姿が映る。」
(76ページ)

「由布子は直樹の唇に当てていた指をゆっくりと滑らせ、
直樹の額に【流れている汗】を掬い取った。」
(78ページ)

「それは意志を持って口から発せられたというよりも、
【少しずつ溜まり続けたものが満杯になって、
ついに溢れ出した】というような感じだった。」
(79ページ)

「開いた両脚の間に、
【たっぷりと湿気を吸い込んで重くなったショーツ】が落ちていった。」
(81ページ)

「乳首の先から唇まで、【唾液が糸を引く。】」
(82ページ)

「直樹の欲望から【湧き出たような息】を、
由布子の全身の細胞ひとつひとつが受け止める。
【男の吐く息】が至上の前戯であることを、由布子は初めて知った。」
(83〜84ページ)

「(……)が由布子の中に【熱い液体】を吐き出し続ける。」
(91ページ)

 著者の【水】を扱う手際は、鮮やか。
 知らずしらずのうちに、読む者は、水の魔術師に幻惑されて、
 気がついたときには、すでに水底深くに引き込まれてしまっている。

 104ページから最後にかけて、透明な液体(水)に、
 赤い液体(血)と白い液体(精液)とが加勢する。

 赤と白とのせめぎあい(135ページ)は圧巻。

 ラスト近くの「水道」が、このお話のカギを握っている、
 というのは、深読みか。