姫野カオルコの文章は爽快でした。
　かなり偏見と独断で、斬っている話題もあるとは思いましたが・・。
　姫野カオルコ自信の理想の男性像というテーマは、最高でした。
　今まで考えたこともなかった理想像でした。
　やはり、作家と言うものは、全く違う角度から世界を見ることができるのですね・・・・。

著者はそのスキャンダラスなデビューでイメージ的に随分損をしていると思う(特に男性に対して)。しかし、実際著書に触れて見ると生真面目と言って良い清廉さと本音をズバッという男気(?)に驚かされる。私は男性だが、著者には好感を持った。

本書は「結婚」について語ったものだが、結婚に限らず、世の人々(特に女性)が心で思っていても"常識"のために口に出せないことを堂々と語ってくれるので、精神安定剤的な役割を果たしてくれるのではないか。

結婚について言えば「女性は結婚して家庭に入るのが一番」という常識がまかり通っているので、これに公に反駁することは難しい。この問題について悩んでいる女性は多いのではないか。結婚すれば、炊事、洗濯、掃除は勿論、夫婦生活も待っている。夫婦生活という重要な問題を抜きにして「あなた年頃だから結婚したら」と簡単に言われるのは女性にとって心外であろう。

本書を読んで著者の考え方に共鳴し、同じように悩んでいるのは自分一人ではないと救われる女性も多いと思う。常識に惑わされず本音を語って、悩める女性を勇気づける爽快エッセイ。

うーん。。。。

理想を追いすぎて、現実とのギャップに戸惑っているとも思えるし
実体験がないからこそ、ここまで俯瞰してモノが見れているとも思えるし。
世のヤロウどものイケてなさっぷりにがっかりしているあたり、
それなりにいろいろあるのね～とも思えるのだけど。

男性と付き合ったことがない、という下りで一気に白けてしまいました。

男性とお付き合いの経験がない、だけで、しこたま遊んではいるのよ、その上で、やってらんないわねって云ってるのよ、おバカ！と
ほくそ笑んでくださっていたら、☆5つ！！

30代にしていまだ男と付き合ったことがない、恋愛小説家。
こんな女の結婚についてのエッセイなんて、偏って、屈折していて、歪みきった、オゲー、な思想があふれているに違いない。と思いきや、意外なことに「結婚に対する世の常識」について正直に疑問を投げかけているだけで、イヤミがない。無理に共感を煽ることもない。（やや「性」に関して過敏なところもありますが。）
特に「29歳への誤解」については、別に結婚を意識していないだけなのに周囲がうるさくて困るのよね、という30代独身女性なら、「そう！そう！」と膝をたたくこと間違いありません。そして、人生を謳歌する独身女性へ哀れみの感情をもっているような、誤解多き、そして理解なき男性たちにこそ読んでほしい内容です。男女問わず「結婚＝幸せ」なのか？という疑問が少しでもあるのであれば、目からウロコが落ちますよ。

姫野さんのエッセイはどれも読みやすく、楽しめるが、中には知力体力攻撃力を必要とされるものもある。
その点、このエッセイ集はどれも読みやすく、時事問題から結婚をめぐる考察まで、８０％のエスプリと、１２０％のユーモアで、テンポ良く読ませてくれる。

あとがきの、マイペースで進めば、バスは必ず停まるのだ、という言葉は名言。これぞまさにヒメノ式。