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ツ、イ、ラ、ク (角川文庫)

価格: ¥740
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川書店
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楽しめませんでしたー今までの姫野さんの作品と違って ★★☆☆☆
いつもと違う雰囲気だなとどこかに違和感を覚えながらも、丁度半分くらいまでは共感しつつ読めましたが、
半分過ぎてからがダメでした。

まず、途中から急に今までと正反対のようになる統子と準子のキャラクターについていけず、「いつからこの2人はこういう行動をとるような子になったの?」と、川の流れが急に逆向きになったような変化に疑問の「?」がいっぱい。
次にはこれまた急に変わった「生徒と先生モノ」ポルノ小説のような話の流れ・描写についていけませんでした。
しかし、そこまでは「いつもの姫野さん」を疑っていませんでした。
「純粋で鈍く見えるモノ程本当は汚く・計算高くしたたかで、一見ケバケバしく淫靡に見えるモノこそ本当は潔く
清らかである。」といういつもの主張が時間をかけて表れただけだと思ったのです。

しかし「そんな気配あったっけ?」と戸惑うばかりの人間性の変化は他の登場人物にも次々起き、青春小説と
官能小説と「生徒と先生の純愛モノ」を混ぜようとして混ざりきらなかったような気持ち悪さを抱えたまま、
ラストは「大人だけが知っている甘さの中のほろ苦さ」とばかりのドラマチック・お涙頂戴の大団円へ・・・・

舞台が中学校だっただけ、2人が先生と生徒だっただけ・・・・・という方向なのかもしれませんが、
急な変化・ジャンルとしてどっちの方向なのかメチャクチャな感があります。
幼い頃の重く鮮烈な思い出・女子小学生の大奥のようなどろどろ(中学生のそれ)・禁じられた恋・イケナイ行動・
純愛・学校での何気ない日常や”文化”・学校内のスキャンダル・大人になって鈍く小汚くなったみんな……要素が
ありすぎ・盛りだくさんです。

結果私には「部分部分はおもしろいけど、全体として何がやりたかったのか分からない。いくつかの話を
パッチワークのようにつないだ」話に思えました。

どこかで以前姫野さんが「ツ、イ、ラ、クを○歳以下の人が読む程私にとっての懸念はない」というような事を
書かれていて、私はそれに当てはまるので、だから楽しめなかったのかな?と思っています。
一応頭の片隅に留めておいて、もう少し時間が経ったらまた読み返したいと思います。
「ナラタージュ」の青臭さに耐えられなかった人へ ★★★★★
島本理生が若くてブスだというのは本人の罪ではありませんが、
そんな自分に鈍感である、つまり「ナラタージュ」みたいな
小説を書いて平気でいられる、というのは物書きとしては
恥ずべき罪だと思います。
(現に綿矢りさは自分の若さと美貌を憎む能力を持ってます
から)
島本理生ほど「繊細な感性」から程遠い作家はいないでしょう。

若者が感じる年寄りの加齢臭も、大人が感じるガキの青臭さも
ともに人間が発する腐臭という点では同じです。
「そんな自分ってどうよ」、そういうつっこみを常に絶やさず、
自他を問わず人間の醜さを直視しながら、人が生きて在ることを
いとおしむ。姫野カオルコ、作家としても人間としても
凄すぎる人です。


なんとも言えない・・・・・ ★★★☆☆
なんとも言えないおもしろさ、なんとも言えないつまらなさ・・・・・。
両方がいりまじってなんとも言えない作品になりました。
具体的になんと言えばいいのか解りません。
普通とか微妙とかとはまた違うし・・・・・。
私にもっと知識があったら表現できたのでしょうか?
とりあず☆3でww
作者でもない人があとがきとか解説とか言って作品に何か言ってるのが嫌いな私。
とか言っていつも読みますがww
自分と違う視点だったりするとあーこういう見方もあるのか〜とか思ったりするんですが。
この解説は嫌いですねww
解説で「この小説でいらない部分などあるのでしょうか?」と書いてありました。
確かになとは思いますが。
小学生の所は子供の気持ちを忘れた大人が最近のクソガキは〜って感じの嫌な大人が書いた様にしか思えませんでした。そこが良い印象を受けませんでした。
先生と生徒の恋愛ってフィクションでも受け付けないたちなのですが、これはなんだかすんなり読めました。
なんか先生と生徒って感じが全然しなかったです。
女と男・・・・・雄と雌?って感じですかね。
「最後まで嘘をつきとおした。大好きな人を守るために」
という一文が心に残っています。
この淫らな小説には似合わない綺麗な文だなと思いました。
その違和感が溜まらなかったです。
「桃 もうひとつのツ・イ・ラ・ク」も気が向いたら読もうかと思いますww
まだ高校生だからそう感じたのかもしれません。
準子と同い年になったらまた視点が変わり、面白さが解るのかもしれませんね。
では、それまで携帯小説でも読みますかww
うまいなあ ★★★★★
いや〜、すごいビックリした。
この人は実力者だなあ。
暇あれば本読んでるような私ですが、
今年読んだなかでは最高です。
幸せな気持ち ★★★★★
幸せで、温かい気持ちにしてくれた久し振りの本でした。
著者のいわゆる「ヒメノ式」を期待して読んだ方には期待外れになってしまうかもしれませんが、こういう考えの持ち主だったのか、こういうことを考えて書いていたのか、と思うと彼女の今までの作品もすべて肯定してしまうほど素晴らしい作品だと思います。
直木賞の審査員に「導入部分が長すぎて、しかも意味がない」とおっしゃっていた方がいらっしゃいましたが、決してそんなことはないと思います。前半を「導入部分」と捉えていること自体が違うように思います。
現実味に欠ける設定もありますが、そういうことも吹き飛んでしまうくらい、私は好きでした。この本があるだけで、抱きしめるだけで、ほわっと幸せな気持ちになれる。
著者に感謝しています。