姫野さんの小説を読んだことをある人もない人も、ぜひ読んで欲しい1冊です。読み終わったあと、手紙を無性に書きたくなりますよ。
高校時代から上京、就職、結婚、離婚……どんなきれいな女の子もやんちゃな男の子も現役生も浪人生も20年もあればいろいろある――同窓会で久々にあった友だち、特に女の子がすごく変わった感じがしたときに、その裏にこんなストーリーを想像してしまいます。
このように書くと、なんだかとても平凡な物語のようですが、僕にとっては、今まで沢山読んだ恋愛小説のなかでナンバーワンになりました。
もちろんゴージャスな異国での大恋愛小説や、現世の常識を超越したファンタジックな恋愛小説も僕は好きなのですが、この物語のように僕の身の丈にあった恋愛小説が僕の胸に響くのだ、という発見がありました。
四人がそれぞれ、試行錯誤しながら、自分の幸せをつかみ取る姿に憧れを感じました。頭で考えているだけではなく、実践し、傷つき、友達に支えられながら、前に進んで行く姿が素敵です。
僕も、斯くありたい。
そして、この物語を「好き」と言う人とは、無条件で親しくなれるような気分になりました。
荒んだ気持ちの人には持ってこいです。