ひとくちにモテない男といってもいくつかのレベルがある。
女の子との出会いすらなく、たとえ会っても顔を合わせてまともな会話が出来ないという「彼女いない歴＝年齢」タイプ。
出会いはあり、会話をすることも厭わず、容姿にもそこそこ自身はあるのだが、なぜか彼女が出来ないというタイプ。
この本は後者のもてないクンに向けて書かれた本であり、前者のような真の「恋愛弱者」には、この本の内容は
いささかハードルが高いと言わざるを得ない。
例えば著者は、女に嫌われる男性の属性として「神経質」「根暗」「引っ込み思案」などを挙げるのだが、
そもそもそのような性格だからこそ異性との出会いも少なく、異性と会話ができず、それゆえにモテないのであり、
性格を直せといって容易に直せるものでもないはずだ。
著者の主張は他にも、「デブはもてない」とか「子供っぽく甘えてみよ」「感情に訴える会話をせよ」などと言って、
会話すら出来ないデブ男（私ではないが）にはミもフタもない提案が続くのである。
「○○をすると嫌われる」というのは逆にいえば嫌われる（フラれる）ほど、女性と身近にコミュニケートできるということでもある。
世の中には女性に嫌われた（フラれた）ことすらない、男性が山といるのである。
「ベッドへの連れ込み方」などという章を書いている暇があるなら、どうすれば異性と出会えるのか、どうすれば女の子と
視線を合わせて会話（雑談）が出来るかというレベルから指南すべきというのは、この本に求めすぎだろうか。

内藤さんの本は大変読みやすく、心理学を詳しく知らなくてもわかりやすいのですが、
あえて辛口な評価をすればどの本も同じような内容を薄く書いているとも言えます。
この本を読んで人と話す技術はある程度身に付くかも知れませんがモテるかどうかは
ひじょーに疑問。