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パチプロけもの道 (幻冬舎アウトロー文庫)

価格: ¥399
カテゴリ: 文庫
ブランド: 幻冬舎
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自己責任の生き方 ★★★☆☆
 パチンコは数回試したことがあるが、残念ながらビギナーズラックには恵まれず、電動機であっと言う間に穴に吸い込まれる玉を見ながら、もったいなくてとても出来ないと思った。他のギャンブルについては近寄ったこともないのが実状で、せいぜい宝くじを買うぐらいである。だから射倖性が少ないかと言えば、そうではない。欲の皮は十分突っ張っているのだが、自分の甲斐性でそれを打破して切り開こうという気がないだけである。欲はあるけど意欲はないのだ。
 何の職業でも同じだが、その職業で喰っていこうとすると、それなりの決意が必要である。会社などの組織に属することと、パチプロとして独り立ちすることはどちらが決意としては大きいのだろうか? 少なくとも会社勤めは職種や職場が選べないので、そこに自力で解決できない、言い訳可能な部分が残る。しかし後者では確実にすべてが自己責任だ。
 本書はパチプロの日常を通じての人間観察であったり、街の風俗の変遷であったりと自分の日常の行動経路に入っていない部分を見せてくれる。でもその根底にあるのは自己責任で生きている人間の姿だ。
 主人公の生き方や彼を取り巻く友人たちを見ていて、なんとなく永島慎二の「フーテン」を彷彿とさせる作品だ。
パチンコの攻略うんぬん事ではなく著者の人間性が ★★★★★
著者は役人の家に育ち、頭脳明晰で名門高校卒業後、親に対する意地の為に東大へ入学するが、徐々に父親の押し付けるエリート志向に対して反発を強める。そんな中、メルビルの小説「白鯨」に出会った事により、いよいよ現実社会に価値を見出せなくなってしまう。丁度その頃パチンコと出会い、またパチプロという自由で気ままな生活に魅了され、東大を中退し、パチプロの道に入る。そして彼は平成13年に亡くなられるまで生涯、自分の信念を貫き通した。ぶっきらぼうで、怠け者。でも温かくて、やさしくて。我々には到底マネの出来ない究極的に潔い生き様が、文章に現れている。パチンコファンからもっとも愛された男がパチプロ生活の前半部分を綴ったエッセイ集。本当は作家だから、もちろん文章も巧みで読んでいると、どんどん彼の世界に引き込まれていく。しかし自分の知る限り、彼は一度も自分を作家などと言ったことが無い。いつも「自分なんか、つまらぬパチプロ」と笑っていた。
もう少しパチプロの内情を書いてほしかった…… ★★☆☆☆
 東大中退のパチプロである著者のパチンコエッセイということで、何だか面白そうだったので読んでみたのですが、東大を中退してパチプロになった理由やパチプロとしての葛藤は面白かったものの、カバーに書いていた勝ちつづける秘策というのは見当たらなかったですし、どのような台をどう攻略してきたのかなどが紹介されておらず、物足りなさは全体的に感じました。自分自身パチンコは殆どやらないので、その面白さをエッセイの中で書いてほしかったですし、もっとパチプロとしての日常生活なども交えてほしかったです。