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神さまがくれた漢字たち (よりみちパン!セ)

価格: ¥1,260
カテゴリ: 単行本
ブランド: 理論社
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漢字の持つ呪力 ★★★★★
 書名がユニークですね。まさか、神さまの贈り物ではあるまいに、と思って読み進めますと、「漢字は、古代中国で王と神とをつなぐ、欠くことのできない方法」だったということでした。単なる記号ではなく、原初における神秘性を思うとき、漢字にこもっている意味に興味を感じざるをえなくなります。
 例えば、「目」一つ取り上げてみても、霊威・霊力を感じることができます。「見」は大きな目で見張る人の形。日本で「国見」とは、領主による呪的行為。「直」「省」「徳」は、いずれも「目」の上に飾りを添えかかれる字です。より深い内面に呪力を直接的に対象に加えるのが、「直」。より深い内面に呪力を加えて、心の充実感を求めるのが、「省」であり、「徳」なのだろうと著者は言っています。
 切り取られる「耳」、「道」の中の「首」、「手」の祈りなどつながりの中で漢字を追及するのもなかなか面白いことですね。
白川漢字学の入門書として ★★★★☆
白川静先生のお弟子さんが書かれた本、

白川静先生の著作はいろいろ読んでみましたが、非常に難しいと感じるものが多かった。
素晴らしい漢字の世界を紹介していただいているのに、おそらく中高生ではそこに入り込むのが苦しいと思う。
この本はかなり(あくまで御本人の著作に比べて)平易に書かれており、
白川漢字学の入門編としては良いのではないでしょうか?
かなりくせがあります ★★☆☆☆
白川静の本だと思って買ったけど、白川さんは監修だけで、文章は山本史也という人(弟子)が書いている。

「よりみちパンセ」シリーズ(みうらじゅんの名著『正しい保健体育』もこのシリーズ)は、中学生以上のすべての人のために、とうたっているけども、中学生にはかなり読みずらいのではないかな。対立する学説を攻撃する箇所がやたらと多くて(しかも批判というよりは揶揄)あまり気分はよくない。しかも、監修者を「白川先生」と呼んでいる。普通、本の中で監修者を呼ぶときは敬称はつけないんじゃないかなあ。

おもしろい箇所もあるが。

<中国の遠い昔のこと、両眼にそれぞれ二つの瞳、あわせて四つの瞳をもつ男、蒼頡(そうけつ)、その蒼頡はまるで険しい目つきで、さきほどからただきょろきょろきょろきょろと、何かある一点を見つめてばかりいます。それだけでももうただならぬ気配です。その何かとは、じつは何のへんてつもない鳥と獣の足跡だったのです。しかしやがてそれらの足跡の模様ごとに微妙な異なりのあること、そしてそれには一定のきまりが貫かれていることを、その異形の目は、しかととらえました。蒼頡は自ら察した、その自然の規律を応用して、漢字を作ったのである、と久しく中国では伝えられてきました。>

世界の誕生とか、人間の誕生とか、そういうものに関する神話を持っている民族は多いが(というかほとんど全てだろう)、このように文字の誕生に関する物語を持っている民族はほとんどいないだろう。というか、文字を発明した民族というのが数えるほどしかいないのだが。 漢字というのは、それだけ神秘的なもので、人間が作ったというよりは、神話的な存在によって与えられたものというように、漢民族には感じられるのかもしれない。

ということで、いろいろな文字を取りあげて、「漢字の神秘」を教えてくれるのはよいのだが、本書は若干トンデモ本みたいになっているきらいがある。どこまで本気で信じて読んだらいいのか分からない癖のある文体が気になる。
漢字の起源は神への祈り ★★★★☆
 本書で強調していて、私も「ふ~ん」と感心したのが、「口(くち)」についての考察です。従来の文字学の『説文解字』では単なるクチの形として解釈していますが、白川文字学では、この字は下記のような亀甲文字を起源にしており、
 │   │
 ├───┤
 │   │
  \__/
「サイ」と呼ぶ箱型の容れ物をかたどっている、と説明します。
 本書には「U(ユー)」に横棒を加えたような「サイ」を示す漢字が頻繁に使われていますが、JISコードには登場しない文字ですので、ここでは便宜上「∀」と表記しておきます。
 白川氏は、この「∀」に収めるものは祈りの文であった、と解釈し、弟子である山本氏はこの解釈を絶賛して次のように言っています。
   その「∀」の実質、その機能を深く理解することをもって、はじめて
   日本の現在と、中国古代をつなぐ通路はひらかれるのです。

 たとえば、人は右手に「∀」を持ち、左手に「工」の形をした呪具を持って神の思し召しを聴こうとします。手を示す「ナ」と組み合わせると、次のような「右」「左」の成り立ちが分かります。
  「ナ」+「∀」=「右」
  「ナ」+「工」=「左」
 この「∀」と「工」を手向けて神のありかを尋ねるのが「尋」という文字とのこと。「尋」の上部にある「ヨ」も下部にある「寸」も「手」の変形ですから、「右」と「左」を合体させているのです。
 こういう説明を目にすると、「人は右手を使って食べ物を口に運ぶから、という従来の説は、とるに足らないものである」という山本氏の主張も納得してしまいます。

 漢字は単なる記号ではない。自然や社会に対する切実な思いがこめられているのだ。という白川文字学に、この入門編を通じて耳を傾けてみましょう。

白川漢字学の世界が、わかりやすく伝わる ★★★★★
~学者の中での評価というばかりじゃなくて、相当画期的でおもしろいらしいとかねてから聞いていた白川静の漢字学。しかしそうはいっても、今までの著書では、1頁めで降参……この本は白川氏の弟子筋の人が書かれたもので、白川氏によるまえがきもよかったですよ。なにより、物語のように説明される漢字の成立や意味などは、学校で習ったものとまったく違い、~~すごく説得力あります。深い深い世界と、古代の人々の知恵をのぞくことができ、なんだか相当得した気分になりました! 今の我々だって漢字を日々使っているんですものね。歴史を学ぶということのおもしろさを心から感じました。~