ジョーの元に不気味な写真が送られてきます。それはジョーの目だけを
クローズした写真だった。ジョーはそのせいで体調を崩し、故郷へと戻ります。
母の失踪以来、バラバラになってしまった家族の心も、ジョーの悩みに
団結していきます。また過去を追及すべく「サンクチュアリ」にやって来た
ネイサンの存在も日に日に大きくなっていきます。ハラハラして最後まで
先がわかりませんでした。最後には家族と少し距離を置いていた父親の
サムの存在が大きくなります。この絆の固さが私は好きです。

　ノーラ・ロバーツの本で最初に読んだのがこの本でした。とにかく、怖い！の一言。ずっと、He がいったい誰なのか、あの人か、この人か、と思いながら身震いするほど怖いのを耐えて読んでいき、最後に「この人だ！」と思った瞬間は、もう遅い。危険が迫っている！　我がことのように焦りました。

　あとで、この作家がロマンス小説の超売れっ子と知りましたが、この本はロマンスというより一流のサスペンスだと思います。風景の描写がいい、登場人物の台詞が生き生きしている、何をとっても素晴らしい作品です。