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カレーな薬膳

価格: ¥1,785
カテゴリ: 単行本
ブランド: 晶文社
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おしゃれな写真で埋めるのが料理本ではないことを教えてくれます ★★★★★
 私はこの本で料理づくりというものに目覚め、インド料理づくりのおもしろさにはまりました。
 この本は料理本としては作りが地味で、写真が巻頭数ページだけなので当初は不安でした。
 しかしレシピ本論では、鍋の中でなにがいつどうなったきたらどうする、という細かな指南が丁寧に展開されています。これを注意深く読みとりながらやってみたら、素人の自分でも驚くほどの香り高いインド料理ができてしまったというわけです。
 出来上がりや調理の工程を写真で示すことは、実は料理づくりにはほとんど役に立たないのだなあと思いました。そうした本はまるで、料理講師が無言で生徒に調理を見せているだけという感じです。
 他の方のレビューでもありましたが、「沸騰した気泡のまわりに赤い油が浮いてきたらマサラの完成。そこで鶏肉を投入。ここでぜったいに水をいれないこと」等々、文章で鍋の中の変化を説明しながら手順を言ってくれる件りは、まさに講師が横についてくれているかのようです。
 インド料理は盛りつけを楽しむものではなく、香りを楽しむものです。香りを引き出すために、材料と数種のスパイスをいつ、どういうときに投入していくかなどのタイミングに関することがインド料理づくりでもっとも重要な情報です。
 世の料理本はほとんど、きれいな完成写真で紙面を埋め尽くしています。本づくりの方たちは、書店で客が手に取ったときのアピール力を考えるので写真に頼るのでしょう。
 しかし料理本はhow-to本であり、写真集ではありません。著者の持つ本当に役に立つ情報をおろそかにしていては、how-to本とはいえません。
 この本のレシピ文章は、著者の伝えたいことをきちんと軸において充実させたという点で、指南書として非常にすぐれたものになっていると思います。
懇切丁寧!ちゃんと南インド料理ができますが・・・ ★★★★☆
とても細かいところにまで気を配って調理手順を記載してあります。また、実際に著者が解説しているように食材が完成へ仕上がる課程で変化していきます。前のレビュアーが書かれていたように、「ムングダルはほおっておくと必ず煮こぼれます」は本当です!インドカレーレシピ本をいくつか持っていますが、写真点数は少なくてもこの本のレシピが一番失敗なく納得のいくものができるのではないでしょうか。
ただ、余りにこんな病気にこの料理が効果あるみたいな大げさな書き方は問題ありです。
とくにがんに効果があるとかは安易に書いてはいけないと個人的には思います。
私は職業柄、食養成の勉強をかなりしてきましたが、筆者が言う「トウガラシは身体を温める」は誤りです。
正しくはトウガラシは発汗作用を促して摂取を多くすると身体を冷やします。暑いインド、しかも南インド料理なのですから・・・
トウガラシは日本の冷え症の女性にはほんの少しだけ使うのがいいのではないでしょうか。
あと、ジャガイモも食べ過ぎは間脳の働きを阻害することもありますので、余りに薬効が高いかのような解説はどうかと思います。肝心のレシピは圧倒的に素晴らしいので、とても残念でした。
よって、★はひとつ減点させていただきます。
写真はありませんので注意して下さい。 ★★★☆☆
99%文章のレシピ本です。

小説のように、右から縦書き構成でのレシピ説明になっています。

写真付きのレシピ本に比べ、

どういった料理になるのかが圧倒的に分かりにくいです。

評価は高いのでその通り作れば、美味しく作れるのだと思いますが、

写真の有無は“この料理を作ってみよう”という創作意欲に大きく影響します。

文章のみと知っていたら別の書籍を購入していたと思います。
南インドのカレーをわかりやすく紹介 ★★★★★
danchuのカレー特集には欠かせない渡辺玲先生。

やっぱりレシピも一味違います。
レシピを紹介する前に必ずその料理の背景や効能について説明してあり、頭から洗脳されていきます。

写真はないですが、想像力を働かせながら料理を作っていきます。
文章は的確で段取りよく進められます。

テンパリングなどインド料理特有の技術も紹介。とても勉強になりました。

一番美味しかったのはやっぱりチキンカレーですが、野菜だけのカレーも本当にうまみを感じられるものが多く
「南インド最高」と思わせてくれるレシピがいっぱい。

インドカレーは「ナンにチキンカレーだ」と思っている人にもお勧めのまじめで楽しいレシピです。
健康を思いつつ料理する人の本 ★★★★☆
かなり以前、カレー粉に使われているスパイスと太○胃散に使われている生薬に共通するものが複数あると知った時、カレーは作り方ひとつで薬になるのではと思ったことがあります。その発想が南インドのキッチンには当たり前にあるらしいことも教えてくれる本書は、いろんな意味で非常に興味深いです。

写真は少ないけれど、的確な説明があるので、作り方に迷うことはまずないと思います。ただ、本書を参照しつつの調理のしづらい構成なので、先にメモにまとめるなどの工夫は必要でしょう。