青年のようなまっすぐな心の人
★★★★★
とても良いエッセイ集だと思います。
高倉健が語る母のこと、別れた妻である故江利チエミへの思い、海外の友人達との交流など、心洗われるようなエピソードが、まっすぐで驕ることのない、平らで青年のような純粋な言葉で綴られています。
特に、元プロ野球選手、村田兆冶投手の試合のTV中継を、たまたま散髪に出かけた理髪店で観て感激し、花束を贈り届けたエピソードは、とてもすがすがしい気持ちになりました。
また、長野の善光寺参りを毎年かかさない理由や、中国のファンからのプレゼントの逸話にも心が動かされると思います。
高倉健にとっての「あなたに褒められたくて」の「あなた」は、いったい誰なのか。読み進んでいくうちに、その謎も解け、その時にもまた胸が熱くなりました。
さわやかな感動を受ける本です。