健さんは天才でした
★★★★★
俳優として不動の地位を築いておられる健さんですが
エッセイストとしての実力も侮れません。
プロをしのぐまでの実力がこの本の文脈からびしびし伝わってきます。
この本は、ぶれない、流されない、愚直なまでにまっすぐな彼の行き方そのものです。
私は泣きたくなったらこの本を開きます。
かならず、気持ちのいい涙をながせるからです。
本当に「健さん」ってかんじです。
★★★★★
高倉 健さんの感性の豊かさにはかなわない。普通なら見過ごしてしまうかもしれないコトなのに、そこでも色んなことを感じ、時には自分を見つめ直してみたり…。そして、常に感謝の気持ちを忘れていない。だから、健さんの周りには、心のあったか〜い人が多いのではないだろうか。人の心がわかる健さんだからこそ、人々は健さんに惹かれるのではないだろうか。役柄の健さんもとても素敵ですが、素の健さんはもっともっと素敵です。文章も「健さん」らしさが、ひしひしと伝わってきます。
健さんになりきりたい人へ
★★★★★
ニッポン放送の特別番組「高倉健 旅の途中で…」(96年から00年まで5回放送)で語ったことを基に、改めて健さん御自身が書き下ろしたエッセー。心に残った出会いや、自分を奮い立たせたご経験などを放送原稿のスタイルをいかし、詩のような活字の組み方で、半世紀近い俳優生活と向きあわれています。
「鉄道員」などの主演映画にまつわるエピソードや好きな作家の一人である山本周五郎作品の感想、明治大学在学中の思い出などが、演技同様、格調高い筆致でつづられています。
「いい人との出会いというのは、人生の宝物だということを強く思います。素晴らしい人との出会いがあるから、長い間、俳優を続けてこられたのかも知れません」(同書より)
単行本執筆は編集者の熱心な勧めで実現しま!したが、健さん御自身も題名のように、しばしの間だけ立ち止まり、これまでの人生を振り返ってみたかったようです。
居酒屋のテレビに健さんが登場すると、居酒屋にいる男が全員健さんになりきってしまう。そんな場面によく出くわしたことがあります。
健さんになりきりたい日本男児にお勧めの本。