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トリニティ~21世紀のアヴェ・マリア~

価格: ¥2,835
カテゴリ: CD
ブランド: ビクターエンタテインメント
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   大ヒットしたあのデビュー作「アヴェ・マリア」(1995年)を越える内容。ディスクの1曲目は目を閉じて聴いてみてほしい。鳥たちの声が聴こえる。緑ゆたかで静かな庭だろうか? やがてひなびた古い教会へと歩みをすすめると、中には美しいステンドグラスから天からの恩寵のように優しい七色の光が床にまで降り注いでいる。十字架の横には聖母マリア像…。そして、あのテロ事件の直後に祈りを込めて録音したというアルデカルト(1505?~1562)の有名な「アヴェ・マリア」が始まる。
   スラヴァの歌は、男性でも女性でもない、超越的な響きによって、時空の彼方へと聴き手をいざなう。エコーのかかった子音強調型のヴォーカルの重ね録りのせいか、全体のトーンがバーチャルな、ある種危険な気分を感じさせるのは、ピンク・フロイドを手掛けたグレッグ・ウォルシュのプロデュースのなせる技だろうか?
   サン=サーンスの秘曲「アヴェ・マリア」はチェロのソロを冒頭においたニック・イングマンのアレンジが心を打って秀逸。自作の「アヴェ・マリア」は、地球の裏側までたどり着いてしまったかのような寒々しい荒涼感が忘れがたい。最後、モリコーネの「聖母マリア」は、ようやく現れるポップなアレンジが効果的で、暖かい素敵な部屋に戻って、恋人と過ごす親密なクリスマスそのものの雰囲気にほっとさせられる。そして、ふたたび鳥たちの庭に戻っていく…。「旅」をイメージするコンセプトに貫かれたトータルな作りが大変見事である。(林田直樹)