ずっと探していた本
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何年も前に読んで、すごく印象に残ったこの本。
タイトルがうろ覚えで、Googleなどで検索してもずっと見つからずにいました。思い出した様に探す事が、何回かありました。
たまたま、天文関連の特集ページを見て、似た内容の本があったので、その関連した書籍一覧を見ると・・・なんとなんと、この本があるじゃないですか!また出会えて、非常に嬉しいです。文庫化してくれた出版社さん、本当にありがとうございます。
自分の体を構成している原子が、どこか知らない星で作られたという話は衝撃を覚えました。そして重い原子ほど大きな星でしか作られないという話にも。
鉱山から取れる金属は地球の奥深くで作られた物だと、勝手な想像をしていたのですが。どこかの星で作られた物だったのですね。
自分に新たな世界観を、この本は与えてくれました。
原子物理学の歴史とその変遷と恒星の始まりから終わり
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原子物理学の黎明期から現在までの歴史の変遷と恒星はどうやってできて、
どうやってその終末を向けるかを描いた壮大なテーマを網羅した力作。
特筆できるのは原子物理学をこれだけうまく要約して編集できた事、
そして超新星爆発を起こした後にそのかけらが宇宙に散逸して我々の身体も
その構成要素によって成り立っている事です。
わかりやすい例としては我々の身体を構成する水、蛋白質、脂肪、炭水化物(糖)は
比較的宇宙のどこでも分布している元素によって構成されていますが、
微量元素(コバルトなど)は宇宙全体でみても希少元素です。
金や銀も同様であって、これらは超新星爆発によってできた極めて希少元素です。
鉄よりも元素番号の大きい元素は全てこの過程を経て生成されていますので、
やはり希少価値があるわけです。
実際、文庫本になる前に読んだのですが、今でも本書を読んだ時の印象は
強烈に残っています。
そして非常にわかりやすく書かれています。
感動
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われわれの身体を形づくる様々な原子はどこからきたのか。時の始めから宇宙に存在していたのか、ビッグバンで、それとも天空に輝く星の内部で作られたのか‥
核物理を専攻していた僕が、生物系の学部に再入学したのは
まさにこの本にある事実をしみじみ実感したからです。
冒頭に、あるタクシー運転手がこの本を読んで涙を流したというくだりがありますが、これを読まれたすべての人が涙を流すかどうかはともかく、人類が知性というものを持ち、物理学というものを手に入れたすばらしさを共有できるでしょう。ぜひ!!!
物理学科の学生に読んでほしい。
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私は物理学科の大学4年生です。物理学科に入ったものの勉強が難しく、落ちこぼれてしまい留年までしてしまいました。そんな時、この本を読みました。
この本は、自分が物理学科であることを誇りに思えるような本です。今自分たちがやってる勉強がすごい力を持っているということを教えてくれました。入学当初に抱いていた物理を勉強しようという気持ちをもう一度思い出させてくれました。物理学やそれに関係した学問を勉強しておられる学生、そして今その勉強が嫌いになってしまった学生の方にぜひ読んでいただきたい一冊です!
今年出会った最高の文庫本!!
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題名だけで文庫を選ぶことがある。この本もそんな出会いだった。
今、出会いを感謝している。
この本を読むと自分の存在を肯定できるようになる。
「私は星のかけらなんだ」と。
章ごとの扉の詩文がとびっきり美しい。
いつの時代も人の天上には星と月と太陽が輝いていて、
好奇心を持った原子が、それと自分の関係を言葉や数式にあらわしてきた。
この本はそんな原子からなっている。
「星が輝いている理由を知っているのは世界でただ一人、それは僕だ」
なんていう恋人ほしいなぁ。