本文は読み下し文で進められます。『出雲国風土記』は、《郡総記/郷/山河/郡境路程》というように大変整然としていることもあって、そのつど現代語訳、註、解説をほどこす丁寧な構成になっています。見所はやはり『記紀』にはない独自でより素朴な神話伝承の世界。また整理された内容から古代出雲の地理がよくわかります。巻末の地名マップを参照するとより理解できます。
単に神話伝説を読むだけでなく、古代出雲の地理の理解のために。また日本神話の形成や、出雲国造家と中央政権との関係を考える上でも重要な1冊。