Jazz at the Plaza
価格: ¥812
『Jazz at the Plaza』は1958年ニューヨークのプラザ・ホテルにて収録されたが、リリースされたのは1973年になってからのことだった。当時バンドは、互いに熱いサックス・プレイでうならせたジョン・コルトレーンとキャノンボール・アダレイに、ピアノのビル・エバンス、ベースのポール・チェンバース、ドラムのジミー・コブといった新メンバーを補強したばかりで、おそらく無意識にこの直後の『Kind of Blue』セッションへと向かっていた。今回リマスターが施されたが、音質は良いとは言えない。しかしソロがマイクから落ちてしまっている部分も多々あるが、不安定な録音レベルを差し引いても余りある位、招待客だけで超満員になった熱気あふれる雰囲気と演奏が素晴らしい。厳密にはデイビスの重要作ではないが、マニア必携の1枚と言えるだろう。「If I Were a Bell」ではコルトレーンのソロが酔っぱらったように盛り上がり、マイクにぶつかる音も聞こえる。マイルスは「Oleo」の複雑なイントロを間違えてしまっているが、すぐにコルトレーンとキャノンボールの超絶技巧な早弾きソロ合戦に主役を奪われてしまっている。(Martin Longley, Amazon.co.uk)