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萩尾望都 少女マンガ界の偉大なる母(文藝別冊)

価格: ¥1,296
カテゴリ: ムック
ブランド: 河出書房新社
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あえて注文をつけるなら ★★★★☆
両親との確執が作品に影響を与えた点など、萩尾作品を理解する上で
参考になる点はあったものの、ご両親がご存命なだけに、これでは
お二人が悪者になるのではないかなという危惧を少しだけ抱きました。

萩尾さんの頭の中には完成した画面があり、それに従って原稿を
描いて行っているという話など、執筆に関する話や、デビューからの
足跡など、いろんな方向から萩尾望都という一人の天才の素顔に迫る
内容は面白かったです。

ですが、作品が社会に与えた影響などはサラッと一言で説明されて
いるだけなので、たびたび舞台化やドラマ化されている点も含めて、
マンガ界以外に与えた影響も明らかにしてほしかったです。

編集の点で重大なミスがあり、それについて一言。
巻末に「月蝕」が掲載されていますが、最後に「左開きのアメリカンコミック
用に執筆された作品です」「通常の漫画とは逆向き、左から右に向かって
読んでください」という注意書きがあります。

これは「月蝕」の前のページに載せるべきでしょう。
知らずにうっかり最後のページを読んでしまい、ここから物語が始まるのだと
思っていたら、「おわり」の記述に、え? これで終わり? 1ページの
作品? と混乱して、最後(最初)までページを繰って注意書きに遭遇して
初めて、これは逆方向に読まなければいけない作品だったと知った時の
落胆といったら…。

いきなりエンディングを読ませるなど、作者が構成を練り、ラストに向けて
描きあげた世界を台無しにしてしまうものですよ。
読者にとっても、ひとつの作品との出合いをぶち壊しにされたわけで、
編集者の配慮のなさは責められるべきだと思います。

それ以外は萩尾ファンにとって、価値のある本だと思いました。
私の興味とは少し違った本でした ★★★☆☆
萩尾さんのご家族インタビューは、読み応えがあり、萩尾作品を読み解くヒントにもなるものと思います。
一方で、ご家庭の事をここまであらわにする必要はあったのか、作品を読むためにここまで知る必要があるのか、
という疑念も生じました。もうちょっと、ほどほどにして頂いても良かったのでは。

萩尾さんご本人のインタビューを読んでいると、山本順也さんという編集者の方のお名前が
何度か出て来て、大変気になりました。
私は寡聞にして知らなかったのですが、私達が萩尾作品を享受できるようになったのは、
山本さんの存在に負うところが大のようです。
それで、山本さんの談話が読みたいな、と思ったのですが、この本には載ってないのですね。
ネットで調べてみても、山本さんのまとまった著作やインタビューは存在しないようですし、
この機会にインタビューを取っておいてくれたらよかったのに、と思ってしまいました。

他の漫画家さん達からの寄稿を見て、
「漫画家さんの交友関係というのは意外に広いものなんだなあ」と思いましたが、
しかし、それ以上の感想が出てこない寄稿もいくつかあって、
寄稿メンバーはもっと厳選してもよかったのではないかと思います。

他の漫画家さんとの交流と言えば、よしながふみさんと萩尾さんの対談を先ごろ読む機会があったのですが、
(「よしながふみ対談集 あのひととここだけのおしゃべり」所収)
萩尾作品に対する、よしながさんの愛情の深さ、分析の切り込みの的確さには、目を開かれる思いがしました。
こういう新鮮な視点での作品論が、この本でも読めればよかったのにな、と思います。

マネージャーさんのインタビュー、お仕事場拝見、主要作品解説などは大変興味深く読みました。

この本を読んで気づかされたのは、自分は萩尾作品やその創作の周辺には興味があっても、
萩尾さんご本人にはそこまで興味がない、ということです。
萩尾さんご本人への愛情と興味を募らせているタイプのファンの方向きの本なんだと思います。
充実した内容です ★★★★★
私が萩尾望都さんの漫画に出会ったのが、数年前でした。
色々な漫画を読んでいるけれど、だんだん面白い漫画を開拓するのにも限界があり、昔の作品も読んでみようということで手にしました。
実際に読んでみて、「これは、漫画じゃなくて、文学じゃないの?芸術じゃないの?」とびっくりしたのを覚えています。
その時から、萩尾さんの漫画をコツコツと集めていて、今はほとんど発売されているコミックスは手に入れました。

昔のファンではなく、新参者がこの特集を読んだ感想なのですが、「萩尾さんってこういう方なんだ」と知ることができてとても面白く読めました。
最近はメディアに出ていないと思うので、昔、笑っていいともに出ていたことなんて知りません。
漫画以外の萩尾さんのことを、はじめて知ることができました。

また、あんなにも濃厚な漫画をかけるのは、「萩尾さんだから描けるんだ!!」と納得してしまいました。
「萩尾さん」を、萩尾さんや、マネージャーさん、ご家族、漫画界の友人、さまざまな角度から焦点を当てているため、素直に人物像が浮かび上がってきました。

丁寧な作りになっていて、読んでいて幸せでしたよ。
ちょっとした気持ちで買いましたが、何度も読み返したいし、大切にしたいなと思います。
人間・萩尾望都 ★★★★★
望都さんの生い立ちや家族への思いまで赤裸々にインタビューしてある。
彼女の家族への思いと家族からみた彼女への想い
彼女が明るい自閉症と言われていたなんて・・・・とか、
90%が漫画のために存在し、生活のためには10%!旧来の信頼すべきマネージャーさんの言葉とか、
漫画仲間の寄稿を読むと、それぞれの萩尾望都像があって、
そんな中で、いかに見られようとも望都さんは望都さんで揺るがない。
当たり前のことに感動しちゃいました。

大好きな漫画で自分自身に真摯逃げずに伝えて続ける表現者だからこそ、いつ読んでも、彼女の作品は新しいのかも。
作家萩尾望都がこれから生みだす作品が楽しみ(漠さんの言うように、ポーの続編が読める日がくるのか^^?)
感無量! ★★★★★
ちょうど作者のエッセイ集やイラスト集などのレビューを書き連ねていたところへ、ちょうどドンぴしゃりのタイミングで発売されたこの本、早速発売当日買いました。
実に素晴らしい! 感無量! 他に表現のしようがありません。

やはり目玉は、「両親・姉妹が語る萩尾望都の素顔」と題されたご家族のインタビューでしょう。
父親の萩尾浩さんのエッセイ(『萩尾望都作品集16 とってもしあわせモトちゃん』の旧版に掲載)をかつて読んだことはありますが、肉親の生の声(印刷されたものを「生の声」というのは適切ではないかも知れませんが)で伝えられる作者の実像は、他の人たちのインタビューやエッセイで伝えられるものとは実感度が全然違います。
それにもちろん初めて聞く話も多く、ファンなら絶対に欠かせない内容です。

作者本人へのロングインタビューも、これまで丹念に作者のエッセイやインタビューなどを読んできた人にとっても知らないことが多いのではないかと思います。
とくに幼少期から学校時代の話は、これまでのインタビューやエッセイでもほとんど触れられていない話が多く貴重です。

幻の3作品の中では『月蝕』が素晴らしいですね。こんな作品があったとは、知りませんでした。
『フレア・スター・ペティコート』は、『奇想天外』に載っていたのを読んだ覚えがありますが、確かカラー作品だったはず。カラー掲載して欲しかったなぁ、と一応贅沢も一言。

仕事場と飼い猫7匹の紹介とか、『モトちゃんのシネマウォーク』 なんかも楽しく読めました。