E.S.P.
価格: ¥858
『ESP』は、マイルス・デイヴィス・クインテットがウェイン・ショーター(テナー・サックス)、トニー・ウィリアムス(ドラムス)、ロン・カーター(ベース)、ハービー・ハンコック(ピアノ)という編成になっての第1弾アルバム。1964年リリースのこの作品は、当時衝撃的だったオーネット・コールマンの「フリー」スタイルとは一線を画し、マイルスがアコースティック・ジャズを追求すべく発表した作品だ。内容はというと、マイルスの思索的なプレイとショーターの激しいサックス・プレイが織り成す、珠玉のナンバーがそろっている。しかしバンド全体の出来も素晴らしく、特に若きドラマー、ウィリアムスが良い(ちなみに彼は当時若すぎてクラブへの入店を断られたので、マイルスが年をごまかすため口ひげを生やすよう命じたらしい)。マイルスくらいの才能の持ち主で、膨大なアルバムを発表していると、これがベストという1枚を選ぶのは困難を極めるが、『ESP』は限りなくベストに近い候補と言えるだろう。8曲すべてがジャズの素晴らしさを伝える最高の見本であり、今回のリマスターによって一層素晴らしいものになった。アルバムタイトル曲や「Agitation」は発表当時から今も、ジャズ・ミュージシャンやリスナーに大きな影響を与えている。(Phil Brett, Amazon.co.uk)