ところどころシンガー兼ソングライターのサム・フィリップス(彼の作品は、アメリカのTV番組「ギルモア・ガールズ」の各エピソードを彩っている)のサウンドそっくりに聞こえるが、ネリーは彼女のアイデンティティーの大部分を占めるブラジル音楽の影響を失うことなく、これまで以上にロック色の強いサウンドを狙っている。ヴォーカルとサウンドは力強く、歌詞と音楽のいずれも、ひとりの若き女性が躍動感にあふれ、絶え間ない変化を続ける姿をあざやかに表現している。何とも心憎いサウンドの本作は、気の利いたリスナーなら大事に聴きつづけることになる1枚だ。(Rickey Wright, Amazon.co.uk)