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Rubyベストプラクティス -プロフェッショナルによるコードとテクニック

価格: ¥3,456
カテゴリ: 大型本
ブランド: オライリージャパン
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いまのRuby文化がわかる一冊 ★★★★☆
面白い本だなぁ、これは。例えるなら、Ruby部族の集落に潜入した文化人類学者によるフィールドワークの報告書みたいな本だ。まえがきにもあるけど、誕生当初なにもなかったRubyに、十数年かけて蓄積してきた「文化」のいいところを、粒度にこだわることなく紹介している。レシピ本と違うのは、文化として定着しているかどうかを基準に内容を厳選・整理している点かな、と思う。

多くの書評で「中級者以上向け」とされている本書だが、それは構成に負うところが大きい。冒頭から3章までは、Rails以降急速に活用が進んでいるRubyの動的言語的側面がメインで、かなり歯ごたえがある。ここで読者のレベルを制限してしまうのが狙いかと思わなくもないけど、ちょっともったいない。

その後の展開はわりと普通で、Rubyの文法をひととおり身につけた初心者でも、問題なく読み進めることができるプラクティスも多いからだ。特に、テキスト処理、デバッグ、M18Nあたりは独力で遠回りする前に触れておいた方がいい題材だし、既存のライブラリを使う上でもプロジェクトメンテナンスの話題はとても有用だ。

というわけで、一通りの文法が身についていれば、「自分は中級者じゃないから」と尻込みしていた人でも読んでみていいんじゃないかな。4章以降から読み始めてもほとんど問題ないし、途中でつまずいても参考にできるリソースはすぐに見つかると思う。
入門書に物足りなさを感じ出した人向け ★★★★☆
一通り読んで、「これは俺の趣味じゃないなー」というのはいくつかあるものの、あからさまに間違いと思えるプラクティスはなし。載っている例の多くは出典となったプロジェクトも書かれており、絵に描いた餅ではないことが強調されている感じ。
またバグが出たときどうするの(6章)とか書いた後どうやってメンテナンスするの(8章)といった切り口で書いてあるのは少々珍しいので、同種の悩みを抱えている人は読んでみるとよいかもしれない。それらに限らず全般的に要所要所にまとめが挿入されているので、折に触れて読み直す感じで使えると思う。
発展的内容なので万人におすすめとはいかないのが残念。