本作『Cornerstone』で最大のヒット・ナンバーとなったこの「Babe」は、「愛してるよ、でも行かなければ」というパワー・バラードの原型といえそうな曲で、スティクス初のナンバー・ワン・ヒットでもあり、本作を超名盤の地位に押し上げた。さらに、「Why Me」もトップ40に入るヒットとなった。このことから分かるとおり、本作はスティクスのアルバム中もっとも取っ付きやすくメロディックな性格を持っている。
同時に本作は、新たなサウンドを模索したアルバムでもあった。デニス・デ・ヤングによる「Borrowed Time」と「Why Me」に加えられたホーンや、トミー・ショウによる「Boat on the River」に顔を出すマンドリンは新味といえるだろう。たとえ本作が70年代の終わりにスティクスの人気を決定づけることに失敗していたとしても、1979年の世論調査がものを言っていたはずだ――スティクスは「アメリカでもっとも人気のあるバンド」に輝いたのである。そうとも、君たちで決まりさベイビー。(Daniel Durchholz, Amazon.com)