雲から抵抗へ+あの彼らの出会い (ストローブ&ユイレ コレクション) [DVD]
価格: ¥5,670
20世紀イタリアを代表する作家チェーザレ・パヴェーゼの『異神との対話』と『月と篝火』に基づくストローブ=ユイレの異色作
一九七八年に撮られた『雲から抵抗へ』は、チェーザレ・パヴェーゼ(一九〇八~五〇)の哲学的対話詩篇『異神との対話』(47)(『パヴェーゼ文学集成6』、岩波書店)からの六篇「雲」「怪物」「盲」「狼人間」「客人」「篝火」と長篇小説『月と篝火』(50)(『パヴェーゼ文学集成3』、岩波書店)の圧縮抜粋に基づく。
パヴェーゼは『月と篝火』執筆後の一九五〇年八月に睡眠薬自殺した。
『雲から抵抗へ』第一部の六話では、ギリシャ神話に登場する神々や人間の六組のペアが、神話を踏まえて死すべき人間の運命を思弁的に語る。
『雲から抵抗へ』第二部では、象徴的リアリズムの方法で書かれた長篇小説『月とかがり火』の物語が抜粋圧縮される。第二次大戦が終わって三年後の一九四八年八月のイタリア北西部。四〇歳になる主人公は捨てられた孤児で、貧しい一家の養子となり、一三歳で農場労働者となり、二〇歳で渡米し、裕福となった今はジェノヴァに住む。一年前に二十年ぶりに故郷を訪ねて以来、何度目かの帰郷だ。彼は、三歳年上の友人でブドウ桶職人のヌートらと語り合い、彼の生家に住む貧しい小作農ヴァリーノの息子で片足の不自由な少年チントに希望を託そうとする。
『雲から抵抗へ』から四半世紀を経て、二〇〇五年にブーティ・フランチェスコ・ディ・バルトロ劇場の団員が演じる『あの彼らの出会い』は、『異神との対話』の最後の五篇「人間」、「秘教」、「洪水」、「美神」、「神々」に基づく。古代ギリシャの神々、半神半人、森の精、死すべき運命を持つ人間らの間で交わされる対話がほぼ不動の姿勢で演じられる。