Out of the Cool (Reis) (Rstr) (Dig)
価格: ¥983
ギル・エヴァンスは、ジャズ史上屈指の名アレンジャー、そしてコンポーザーとして評価が高い。音の魔術師と呼ばれるように、ギルのオーケストレーションは色彩感覚豊かで、通常のビッグバンド・サウンドとは相当趣が異なっている。
また、伝統的なビッグ・バンドとは違う独自の楽器編成もギルの特徴だ。たとえば60年録音の本作は、ビッグ・バンドといっても通常より少ない14人編成。それでいて、エルヴィン・ジョーンズとチャーリー・パーシップの2ドラムス編成。バリトン奏者がいなくて、代わりにチューバとバスーンを加え、サックス奏者には持ち替えでフルートとピッコロを演奏させる、というユニークな編成だ。
ジミー・ネッパーのトロンボーンソロをフィーチャーした<2>。ロン・カーターのベースソロを巧みにあしらった<3>。ほか、どの曲にもギルらしい斬新なアイデアが詰め込まれている。マイルス風なジョニー・コールズのトランペットや、ケニー・バレルのようなレイ・クロフォードのギターソロも、なかなか印象的だ。(市川正二)