農夫ブラウンさんの納屋では、飼っているウシが古いタイプライターを見つけて使えるようになってからというもの、識字率が大幅アップ。意思の疎通ができるようになったとたん、ウシたちがたちまち議論好きになったから大変だ。

親愛なるブラウンさん
納屋は夜になるととても冷えます。電気毛布をいただけませんか。
ウシ一同より

   要求をのんでもらえなかったウシたちは、行動を起こす。ブラウンさんが納屋に行ってみると、扉に別のメモが。「本日休業。牛乳はありません」。ストライキ中のウシたちとブラウンさんは、やがて妥協せざるをえなくなる。仲裁に入ったのは──アヒルたち。だが、かわいそうに、ブラウンさんの「普通じゃない」トラブルはまだ終わらない！

   この陽気な物語は、反抗期にさしかかっている子どもたちに、平和的な抗議の威力と協力的なギブ・アンド・テイクの満足感を教えるはずだ。受賞歴のあるイラストレーター、Betsy Lewin (Snake Alley Band、Araminta’s Paint Box)による水彩画はウィットにあふれ、「最後通諜」「中立」といった言葉にまごつくことはあっても、子どもたちはみんなこの絵本がお気に入りになるはずだ。（対象年齢5～8才）（Emilie Coulter, Amazon.com）