好評だったジャパニーズ・ポップスのカバー・アルバム『Dear Friends』の続編。前作同様、長年のフェイヴァリット・ソングを中心としながらも、柴田まゆみの「白いページの中に」のように、初めて出会い心を動かされた曲なども収録されている。ベッツィ&クリスの「白い色は恋人の色」を妹の岩崎良美とデュエットしたり、大江千里のピアノをバックに「もしもピアノが弾けたなら」をしっとりと聴かせたりと、今回も聴きどころ満載だが、なかでも「真夜中のギター」の出来が秀逸だ。
どの曲も楽々と歌いこなしているように見えて、実はシンガー、岩崎宏美のチャレンジ精神がこれだけ充実した作品を作り上げていることには感動すらおぼえる。それは、これほど正統なヴォーカル・アルバムがめっきり少なくなったからかもしれない。(木村ユタカ)