ジェームス・テイラー、アリスン・クラウスといった友人のヴォーカルを借りて、ヨーヨー・マ、エドガー・メイヤー、マーク・オコーナーのトリオが、またまた室内楽とブルーグラスの素敵なフュージョンを作り上げた。1996年に出た『アパラチアン・ワルツ』の続編である。ディスク全体に叙情的な弦の調べがあふれ、ふとコープランドを偲ばせる。メイヤーのバスが最高に乗っている。クラシック音楽の複雑さとフォークの荒っぽさがなく、しんみりと心やすまる。だが、絶対にはまる。
このディスクのヨーヨー・マは、どちらかといえば引き立て役だから、美しい「デュエット・フォー・チェロ&ベース」を除けば、ファンには不満が残るかもしれない。もちろん、十分楽しいし、メイヤーの別の曲集『ショート・トリップ・ホーム(帰郷)』(これもソニーのクロスオーバー・プロジェクト)より親密感があり、それでいて、「1B」や「カプリース・フォー・スリー」を聴けばわかるように、大変に陽気である。 (Jason Verlinde, Amazon.com)