特に注目すべきはマイルス・デイビス・クインテットに所属していたチェンバース以外は、みな自分のバンドを率いて活躍していたことだ。これだけの面子が集まれば内容が悪いはずはなく、実に活気に満ちた典型的ハードバップに仕上がっている。
生き生きとしたロリンズのオリジナル2曲とアルバムのトップとラストを飾るスタンダード2曲では、シルバーがピアノを担当。モンクは自ら作曲のバラード「Reflections」で、モンク作の定番曲「Misterioso」では2人が競演している。モンクがいるだけでセッションのムードや気分が大きく変わっているのが実に興味深い。「Misterioso」のシルバーのソロも隣のモンクを意識してか、どことなく控えめで哀愁を帯びている。一方リーダーのロリンズはそんなことお構いなしに、自信と情熱、素晴らしいアイデアにあふれた演奏を聴かせてくれる。(Marc Greilsamer, Amazon.com)