ヴィブラフォーン奏者のゲイリー・バートンは70年代中期からピアニストのチック・コリア、ギタリストのパット・メセニーらとコラボレーションを続けてきているが、そのことは一目瞭然だ。この3人は互いのメロディとサウンドを強い直感で感じ取ることができ、ありとあらゆる微妙なやり方でその音楽を増幅することができる。素晴らしいリズムセクションを持っているからといって害にはならないし、ベース奏者のデイヴ・ホーランドとドラマーのロイ・ヘインズの2人とも最高の技術を持っている。『Like Minds』では素晴らしいCDを作り上げている。一切の飾りを排した正統派のジャズアルバムで、録音も歯切れよく、エネルギッシュで想像力に満ち溢れたものだ。ジョージ・ガーシュウィンが作曲したSoon以外はすべてオリジナルの作曲で、機知に富み弾むようなスタイルという表面的な類似があっても各人の違いがくっきり出るように十分配慮されている。考えが似ている(Like Minds)のは確かだろうが、各人がそれぞれ特有の声を持ち、他のメンバーの声と創造性豊かに組み合わせる能力を持っているのだ。 --Wally Shoup