こうもりのような耳とくりくりとした真っ赤な目、いつも右と左で色の違う靴をはいている不思議な生き物、ガラゴ。はじめは奇妙にみえるこの生き物も、ページを読み進めるうちにとてもかわいらしい存在に思えてくるから不思議である。
ていねいに書き込まれた絵がこの作者の大きな魅力だが、その手腕はこのガラゴシリーズでもいかんなく発揮されている。バムとケロシリーズでおなじみのおじぎちゃんや、いもむし、ヤヌピが今回もページの隅で小さく大活躍し、さらにはケロちゃんのママとも思われるカエルも登場する。子どもも大人も同じ目線で楽しむことができる貴重な1冊である。(小山由絵)