ハイ・ファイ・エリントン・アップタウン+1
価格: ¥1,835
デューク・エリントンのように長い間第一線で活躍した人は、それぞれの時代に名演を残している。で、50年代のエリントンといえば、やはり本作と56年のニューポート・ジャズ祭の実況盤が双璧だろう。
エリントン楽団は51年に危機を迎えた。バンドの看板奏者だったジョニー・ホッジス、ローレンス・ブラウン、ソニー・グリアーの3人が揃って退団したからだ。しかしエリントンはファン・ティゾールやルイ・ベルソンらを加えてバンドを立て直し、それ以前とはまた違ったスマートなサウンドでファンの支持を取りつけた。これはそうした時代の作品。
<1>はルイ・ベルソンのドラム・ソロをフィーチャーした演奏で、これによってベルソンの株が上がった。<2>はエリントン・クラシックともいえるナンバーだが、新たなアレンジでドラマティックに演奏しており、エリントン・ミュージックの神髄が聴ける名演。<3>はバンドのテーマ曲として知られるおなじみの曲だが、ここではベティ・ローシェのスキャットがエキサイティング。(市川正二)