『There's More Where That Came From』において、複数のグラミー受賞経験のあるリー・アン・ウーマックはカントリーのウェイバック・マシーンのつまみを30年昔にセットしている。アルバムのカバーはテキサス生まれのシンガーの顔をソフトフォーカスして曲目リストを載せたもので、タミー・ウィネット、リン・アンダーソン、タニヤ・タッカーのように上品で感情的なヴォーカリストたちがチャートを支配していた時代を彷彿とさせる。だが、本当の魔法は伝統的な音のアレンジにある。優しくすすり泣くようなスチールギター、ピアノ、ハーモニカ、そしてフィドルによって色づけされるアレンジ。急ぐことのないテンポ。そしてもちろん、ウーマックの軽やかで甘いヴォーカルの砂糖菓子。彼女は「There's More Where That Came From」で欺くようにクラシックなテーマを、「Painless」で結婚生活の終わりを歌いあげ、「Twenty Years and Two Husbands Ago」で自分自身の経験を元にしている。ウーマックは確かにダーティーなギターと大げさなリズムの「When You Get to Me」では確かに少々負けている。だが、ほんの少しだ。そして、彼女は心の底から歌う甘く悲しいバラードの廃れることのない魅力を証明し、現代のカントリーがあまりにもポップ寄りになり――そして消えてしまうことに抵抗している。（Ted Drozdowski, Amazon.com）