TNT
価格: ¥1,159
バンド名が示すとおりがっちりとしたスタイルの外観を巧みに使いながら、トータスはそのサウンドのエッセンスをなめらかにビートに乗せている。彼らは最新作にずうずうしくも「TNT」(爆薬の意)というタイトルをつけた。それが彼らがそれまでの殻を破る合図となるとでもいうように。しかし、“爆発”からの連想にだまされてはいけない。この略語は“タフで優しい(Tough-N-Tender)”という意味なのである。このアルバムには、5人のシカゴ・ガイが自分たちの好きなようにやることから生まれた粘り強く磨く上げた技術と多様な独創性が表れている。トータスは、もっと全体的に親しみやすくアップビートに方向転換するため、以前のリリースに見られた実験的なミニマリズムを避けた。構造はジャズに根ざしているが、ほとんどの曲にエレクトロニックな処理を散らしてあるのがさらなる特徴となっている。テーマの表現は明瞭さを抑えたジャイヴなので、ヴォーカルもリリックも必要としないし、入ってもいない。サイケデリックなギターのダークな面が表面に出てくると、のんびりした低音セクションがしゃれた砂漠の島にたったひとりでいるような冒険ファンタジーを思わせる。(Lucas Hilbert, Amazon.com)