どうやら普段着の演奏を録音しましたというのではなく、チャールズ・フローレス&オラシオ・エルネグロ・エルナンデスを加えた新トリオでじっくりと新たな方向を模索、その構想が固まったところで新トリオをライヴでお披露目しました、とでもいった感じの作品である。そのせいか、新曲が多い。Disc1< 5 >「Tequila」、< 8 >「Happy Birthday / Blue Bossa」以外は全部カミロのオリジナル。この新トリオ、リズム面を含め、かなり高度な音楽的チャレンジを実践しているが、難解な印象を与えず、聴く者を存分に楽しませる。音楽性の追究と娯楽性の絶妙なバランスに感心させられる演奏だ。(市川正二)