One Day I'll Be on Time
価格: ¥1,076
目隠しをされ、視覚に頼らず手探りで進むことを経験したことのある者なら、腕利きのインストルメンタル奏者ジミー・ラヴェルのソロプロジェクト、アルバム・リーフによる本作にささやかながら親近感を覚えるはずだ。アルバム・リーフを経て、彼は初期のバンドであるスウィング・キッズとロカストのパンクロックから、現在のバンドであるトリステザのポストロックに移り変わっている。そして、彼の優しく細やかな手さばきを象徴する楽器、味わい深いパーカッション、繊細なギター、最小限のエレクトロニクスをあやつり、インストルメンタルのみのナンバーのなかに新たなスタイルを作り上げ、聴覚から共感覚体験を引き出している。まさにぴったりのタイトルの「Story Board」といったナンバーでは、野外録音した風や往来のざわめきに加え、ときどき組むエンジニア、ラフター・ロバーツとの会話まで織りこみ、リスナーの心に夢のようなイメージをいくつも呼び起こす。けれども「Asleep」などのナンバーでは、人の背中をそっと押すかのような現実的なサウンドを伝え、ソングライティングの力量を見せつけている。音楽に偏見のないジャズやエレクトロニクスやインディーズロックやハードコアのファンなら、本作からまさしく心の琴線に触れる何かを見つけることができるだろう。(From Amazon.com, Sarah A. Sternau)