2001年に発売されたRPG『グローランサーIII ~The dual darkness~』が廉価版として再登場したのが本作。1999年に登場して以来、長寿的人気を誇る「グローランサー」シリーズだが、本作ではさらに新システムが盛り込まれて後継作品に影響を与えてきた。

   物語はシリーズ第一作から1000年前を舞台に、太陽が異変を起こし荒廃した世界で主人公が自らの記憶を求めて旅立つ。ゲーム展開は、町での情報収集、武器やアイテムの入手、敵との戦闘といったRPGの王道を採用している。

   これに味を添えているのが性格分岐システム、ダンジョン自動生成システム、RMC（リアルタイムミッションクリア）式の戦闘だ。戦闘中も移動中もイベントが発生し、そこでの行動選択だけでなく、戦闘の内容によってもキャラクターの成長の仕方が変化する。

   型どおりの攻略を許さない、入るたびに構造が変化するダンジョン、そしてシリーズではおなじみとなったRMCでは、協力魔法、特技などの新規システムの追加により、さらに戦略性、攻略性が高くなった。

   ゲーム全体的にいえるのが、プレイヤーの行動によって物語が変化すること。間断なく進行する物語のなかで、プレイヤーが選択する行動次第で後の進展が変容する。これが、本作がノンストップドラマチックRPGと呼ばれるゆえんだ。（江口 謙信）