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Love Is Hell

価格: ¥1,024
カテゴリ: CD
ブランド: Lost Highway
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   ようこそおかえり、詩人のライアン・アダムス――姿を消しもはや故人と思われていた……とまでは言わなくても、意気地のない自らのレコード・レーベルのおかげで重傷を負っていたようなものだ。本作は、アダムスが提供した曲に大衆受けするポップさが欠けていることを危惧していたロスト・ハイウェイ・レコード(冷遇されたアダムスは、やっつけ仕事だがかけがえのないアルバム『Rock N Roll』をたちまち作り上げた)からリリースされた同タイトルのEP2枚を組み合わせたもの。EP2枚の収録曲を全曲収めたほか、4曲を作り直し、さらにもう1曲『Rock N Roll』収録の、厭世的だがどこまでもロマンチックな「Does Anybody Want To Take Me Home」を加えている。「This House Is Not for Sale」と同タイプの、シングル・カットされてもおかしくないナンバーだ。

   本作はわびしげで芸術的な意欲に満ちているが、町はずれのどこか(「Political Scientist」)を訪ねたり、厳しい自省の念(タイトル曲で「ああ、俺は今まで何を飲んでいたんだ?」と問いかけている)にかられたりもする不思議に感動的な作品だ。情感にあふれた雰囲気は、たとえ傷ついた心であっても、まだときめきを感じる(「This House Is Not for Sale」)ことをところどころで明かしている。とは言え、ときおりそれが過多と感じられるところもある。散文的な「My Blue Manhattan」や漠然とした「Avalanche」がそうだ。

 「Afraid Not Scared」(レディオヘッドの「Subterranean Homesick Alien」を思わせる曲だ)を除いて、アルバム全体を通して響いているのは、人生に対する穏やかな絶望を奏でる物静かなテーマ曲のような、深夜に地下鉄のプラットフォームで感傷的なヴァイオリン奏者がたったひとりで奏でるような音。そうした曲の数々とスモーキーなすばらしいカバー曲「Wonderwall」によって、本作はほぼ完璧にアダムスのアルバムに仕上がっている。(Ben Johncock, Amazon.co.uk)