Popmart: Live From Mexico City [DVD] [Import]
価格: ¥2,488
さまざまな論議を呼んだU2の1997年「ポップマート・ツアー」の模様をとらえたコンサート・ドキュメンタリー。アイルランド出身のロックバンド、U2。電子音を使った彼らのアルバム『ポップ』の楽曲をメインに据えたコンサート。『ポップ』でのダンス風ミュージックは賛否両論あり、米国ではツアーのチケット販売状況にも影響した。U2の新しいサウンドへのファンの反応に対して、バンドは楽観的に構えていたと思える。
同時期に発表されたローリング・ストーンズのビデオ『ブリッジズ・トゥ・バビロン』を見ると、U2の情熱と信念が『ポップマート』の中に見え隠れしているのが分かる。ストーンズは、スタジアム・ロックの元祖でありロックンロールの代表的存在だ。ストーンズよりU2が勝っているものは、そのスケール。パフォーマンスの主題という点では、慎重なストーンズのビデオよりU2は大胆だ。
『ポップマート』はポスト・テクノを効かせた音作りであるが、U2が本来持つ情熱的なロックのスタイルは変わらない。バンドの信念をダンスのリズムと派手なポップアートのモチーフを使い表現しようとしているが、本質は同じところにある。メキシコシティーの大観衆の前で繰り広げられたライヴ映像。コンサートのカメラワークはクローズアップを効果的に使いながら、メンバーのステージングに酔いしれることもできるようバランスが取られている。つまり、巨大なセットを体感できるし、バンドと観客の距離を近くに感じることもできるのだ。
また、『ポップ』からの新しい曲が色あせない程度に、懐かしい名曲をうまく織り交ぜており、うまく統一感をつけている。アコースティック・ギターを手にしたエッジとボノの演奏は、そのよい例だろう。(Sam Sutherland, Amazon.com)