The Assault on Reason
価格: ¥1,305
ジョージ・W・ブッシュがアメリカ軍にイラク侵攻を命じたとき、アメリカ人の70%が、サダム・フセインは9.11テロに関係していると信じていた。オハイオ州の有権者を対象とした世論調査で、心に残っている選挙キャンペーンについて質問したところ、もっとも多くの人が名前を挙げたのは、テロの恐怖を表したブッシュの2本のテレビ広告だった。わたしたちはいま、30秒のテレビCMが有権者の意思操作にもっとも大きな力を発揮する世界に生きている。そしてアメリカはいま、過去のどの政権よりも国民と真実を分かち合うことに関心がない政権の掌中にある。それに伴ういっそう重大な問題は、真実を突き止めるプロセスに対する現政権の関心のなさ――なかでも欠けているのが、公開調査を受け入れる姿勢だ。そうした公開調査では、予想外で、ときに不都合でさえある真実が、意外な結果を呼ぶかもしれないからだ。なぜアメリカはこうなってしまったのか? そして、アメリカの民主主義の機能や国家安全の管理人としての役割は、どれほどのダメージを受けているのだろうか? アメリカにとって、国家安全や経済、保健、社会福祉、環境問題など、長期的な困難の現実に向き合う力を失うには、いまはあまりにもタイミングの悪いときだ。『The Assault on Reason』が示しているように、残された時間はほとんどない。政治家としてのライフワークや、さまざまな分野をまたぐ専門家としての仕事を礎とする本書で、アル・ゴアは明晰な思考の必要性を、将来を見据えながら力強く宣言している。