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Heaven Eyes

価格: ¥596
カテゴリ: マスマーケット
ブランド: Laurel Leaf
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   イギリスの作家 David Almond は波に乗っている。児童書デビュー作の『Skellig』は2000年度の Michael L. Printz Honor を受賞、第2作『Kit's Wilderness』も翌2001年同じ賞に輝いた。そして、今回の第3作『Heaven Eyes』には忘れがたいセピア色の風景と、語り手の孤児 Erin Law が登場する。

   ある夜、Erin は友人の January Carr や Mouse Gullane とともに孤児院から脱走。月明かりに照らされた川を即席のいかだで下る。激流にのまれそうになったとき、January は喜びに目を輝かせる。「自由」と彼はささやく。「自由だ、Erin!」。だが、知らないうちに、3人の冒険者たちは、べとべとと油っぽくて悪臭を放つ、流砂のような泥──「黒いごみの山」に乗り上げてしまう。そこで彼らを迎えるのは、目を大きく見開き、透けるような肌をした少女、Heaven Eyes だ。彼女は奇妙な話し方で、3人は「みんな不潔みたいに不潔」だけれど、長いこと行方不明だった自分のきょうだいだと言い張る。

   Heaven Eyes は3人を連れて、自分の奇妙で壊れた世界に戻っていく。打ち捨てられたままの印刷工場や缶詰とチョコレートだらけの倉庫の世界だ。住んでいるのは、彼女のほかにはおじいちゃんだけ。このおじいちゃん、髪はもじゃもじゃでとにかくこわい。3人のことを胡散(うさん)臭そうにじろりと見て、ノートにこう書きつける。「幽霊かもしれん。地獄からやってきた悪魔かもしれんし、天国から降りてきた天使かもしれん」。おじいちゃんの態度におびえながらも、Erin は正直な Heaven Eyes と彼女の「親友」だという考えにすっかり夢中になる。お人好しで単純な Mouse も、すぐにおじいちゃんの小さな助っ人役を買って出て、真っ黒な泥の中から、夜な夜な財宝を掘り出す。だが January は、「いまいましい変人たち」のむちゃくちゃな世界のせいで、せっかくの自由をあまりにも早く失ってしまったと毒づく。Almond の巧みな振付で、4人の子どもたちがお互いのまわりを踊るとき、読者は何がそれぞれの子どもを心の底からどきどきさせるのかを知る。

   Almond は例によって、生きる喜びと恐怖が共存する世界を描き出す。現実と想像と記憶と夢が融合。物語はどんなに暗くても、彼の語り口は希望と、根強く説得力のある愛情に満ちている。(Karin Snelson, Amazon.com)