ボルベール<帰郷> コレクターズ・エディション [DVD]
価格: ¥4,935
しっかり者のライムンダは、失業中の夫と娘のために日々懸命に生きていたが、血のつながらない娘を襲おうとした夫を娘が殺してしまったことから、平和な日々は一転。彼女は死体を隠し、娘をかばうことに奔走していた。そんなとき、ライムンダの姉ソーレは火事で亡くなった母が自分の目の前に現れて驚く。幽霊? 幻? 母と暮らしはじめるソーレ。姉を尋ねたライムンダは、ソーレの家で母の気配を感じた。しかし、母はライムンダの前に現れることができないという。仲違いしたまま死んだので、会う勇気がないと言うのだ。それでも娘を思う気持ちは変わらない。やがてふたりが再会するときがきた…。
『オール・アバウト・マイ・マザー』など女性を描いたら右に出るものがいないスペインの巨匠ペドロ・アルモドバル監督が描いたペネロペ・クルス主演作。女性のたくましさ背中合わせも危うさ、そして母娘の絆に、アルモドバル特有のユーモアを加味してカンヌ映画祭などで絶賛された傑作。アルモドバル作品に出ているときが、いちばん輝きを増すペネロペ・クルスは、強さと美しさをあわせもった女を熱演してアカデミー賞主演女優賞候補になった。また色彩も目を見張る! 衣装から美術にいたるまで、原色を使いながらも決してあくどくなく、その映像は息をのむほど鮮やかで美しい。女同士だからこそぶつかりあい、女同士だからこどわかりあえる母娘関係に共感する人は多いかもしれない。(斎藤 香)