私は70年代に大学でスペイン語を学びかなり遠ざかって昨年より学習を再開したものですが、このようなしっかりした文法書にであって隔世の感があります。「わかりにくい」という方には全く同意するものですが、ではこれ以上のものがあるかとなると推薦できるものはないと思います。私が習っているアルゼンチン出身の先生が何故すすめたのか、初めは分かりませんでしたが、読んでみますと日本語で書かれたものとしては相対的にもっともよいと言えます。例えば、線過去、点過去と言う文法用語があります。このような用語を使っていると、次のような文に何故いわゆる点過去を使うのかはなかなか理解できないでしょう。La familia de Maria vivio 20 anos en Los Angeles.(マリアはロサンゼルスに20年住んだ。)(本書P,147)なぜ20年が点なのか?この本では点過去ではなく「不定過去」というスペイン語からの直訳を使っています。決してわかりやすくはありません。しかし、よく読みますと納得がいくのです。まちがって先にすすむより最終的にはわかりやすいのではないでしょうか。