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ロシア文学の食卓 (NHKブックス)

価格: ¥1,218
カテゴリ: 単行本
ブランド: 日本放送出版協会
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ロシアの素朴で豊かな食文化から見える世界 ★★★★★
ロシア文学と食事との関係にまつわるエッセイという、そんなところに読者がいるのかと心配になってしまうテーマなのだが(笑)、少なくともロシア好きの私にはとても楽しめる一冊だった。

取り上げられるのは、ボルシチ、ピロシキ、キャビアといった有名どころから、シチーやカーシャ、クワスなど、ロシアにいたことがある人間にはちょっと懐かしい品々まで。
それぞれの料理に対してロシア人がどんな印象を抱いているのか、それが文学作品の各シーンと絡めて語られる。

比率的に言えば、文学よりも料理に重きが置かれているので、ロシア食文化についての入門書として読むこともできるだろう。

それにしても、ロシア文学に限らず、文学上で食事のシーンが印象に残っていることは、思いのほか少ない気がする。
だが、本書で取り上げられる例、たとえば「トルストイが牡蠣にブルジョアのイメージを持たせる」「チェーホフがブリヌィでロシア人と外国人を対比させる」といったような、細部にいろいろな含みを持たせるということは、まさに作家の面目躍如。

そこに焦点を当てるという一事だけでも、文学の新しい見方を思い知らされた気がする。
ナボコフの『ロシア文学講義』の面白さに通じる、といったらちょっと言い過ぎ?
着眼点は素敵ですが。 ★★★☆☆
こういう着眼点は素敵で、すぐ気になって買ってみたのです。

でも、けっこうロシア文学に興味のない人にはマニアックな内容?
レシピや写真が載っているのではなくて、文学作品にでてくる場面の解説と紹介です。
ただ、ロシアの人々の食生活なども教えてくれたので、そこはけっこう面白く読みました。
最近はやっている(ダーチャなどがでてくる)ほのぼのしたロシアの生活、
そして北欧、東欧といったヨーロッパの田舎がでているかわいい写真つきの本をイメージしていると裏切られます。
まじめな本でした。