ティーン・タウン
価格: ¥1,000
ピアニスト/アレンジャーのデヴィッド・マシューズをリーダーとするマンハッタン・ジャズ・クインテットは、80年代半ばから活動してるから、ずいぶんと息の長いグループだ。かつてはMJQといえばモダン・ジャズ・カルテットを指したが、80年代以降はこのグループもそう呼ばれるので、話がややこしい。
本作は2000年録音作で、不動のメンバーだったテナーのジョージ・ヤングに代わり、若手のアンディ・スニッツァーが参加している点が目新しい。この前に発表した「G線上のアリア」ではクラシック曲を取りあげておりおやっと思ったが、本作は本来のスタンスに戻り、ジャコ・パストリアス、ウエス・モンゴメリー、スティーヴィー・ワンダー、EW&Fなどのヒット曲を小気味よく演奏している。聴きどころは、やはりマシューズの才気あふれるアレンジと、各人の卓越したソロ。ハード・バップの典型的編成である2管クインテットを踏襲、そこにアレンジで現代性を注入する方程式が鮮やか。ルー・ソロフのいきのいいソロを堪能できるのも嬉しい。(市川正二)