サム・スカンク・ファンク
価格: ¥1,000
あれはたしか、1999年にマンハッタン・ジャズ・オーケストラ(MJO)が10周年を迎えた時のことだ。「MJOってマンハッタン・ジャズ・クインテット(MJQ)の拡大版ですか」とデヴィッド・マシューズに尋ねたところ、「当初はメンバーも重複していたし、曲もMJQでやったものが多かったから、たしかにその傾向が強かった。しかしその後は、MJOとしての独自の音楽作りをやっている」と言っていた。MJOの魅力って、やっぱりビッグ・バンドならではのダイナミックなサウンドとMJQ以上に凝ったマシューズのアレンジじゃないだろうか。
加えて選曲の魅力も大。これはタイトル曲がブレッカー・ブラザーズのヒット曲だし、ほかにジョージ・ベンソン、サイモン&ガーファンクル、ジェームス・ブラウン、ビリー・ジョエルなど、これまでマシューズがアレンジを手がけたアーティストたちのヒット曲を新たなアレンジで演奏している作品で、特にその感が強い。ファンキーなビッグ・バンド・サウンドが快適で、クリス・ハンター、アンディ・スニッツァーらのソロも強力だ。(市川正二)