the pillowsは2004年、結成15周年を迎えた。そのアニバーサリーイヤーを飾るSHIBUYA -AXでのライヴ（2004年9月16日）の映像を収録したのが、本作。2時間を超えるボリューム（山中さわおのMCによると「the pillows史上、最長」らしい）、人気曲を網羅したベスト的選曲、バンドのテンション、オーディエンスの熱意。この日のライヴがまさにthe pillowsの集大成と言えるほどのクオリティを実現してたことは、この作品を見れば必ずわかってもらえるはずだ。
   ピロウズ流ロックンロールとでもいうべき初期の名曲「巴里の女性マリー」、トリビュート・アルバム「シンクロナイズド・ロッカーズ」でバンプ・オブ・チキンがカバーした「ハイブリッド　レインボウ」。US/UKのギターロックからの影響をまったく新しい日本語のロックとして提示する彼らのアンサンブルは、凄まじい緊張感と泣けるようなリリシズムを同時に体現していて、どうしても興奮してしまう。このライヴをひとりでもたくさんのロックファンと共有したいと心から願う。（森 朋之）