New Danger
価格: ¥1,106
単なるラップ・アルバムではなく、ファンがずっと待ちわびていたモス・デフの「ニュー・デインジャー」はヒップ・ホップ、ブルース、ソウル、そしてロックが融和している。そしてそれは因習を打ち破ろうとするアルバム18曲に収録されている。そういった意味では、アンドレ3000の「ザ・ラブ・ビロウ」やコモンズの「エレクトリック・サーカス」とその精神は似ているといってもいいかもしれない。モスの評価は叙情的なカリスマ性をもった彼の能力によって確立した。そして、たとえ、エミー賞にノミネートされたからといって、彼の才能が消え去ったわけではないということは、「クロース・エッジ」や「グロウン・マン・ビジネス」、「サンシャイン」で明らかになった。彼はその事を、1999年に発表された前作「ブラック・オン・ボースサイズ」からの驚くべきヒット曲、ソウルフルでポエティックな「ウミ・セイズ」でも、彼が単にストリート・ヒートだけを歌っているのではないってことを証明した。ロックやブルースに刺激を受けた曲もあって、悪くはないけれど、やはりモスの最先端をいく語りとは比較できない。アルバムの長さとかクランキーなシークエンスは、正直いって聞きづらい部分もある。特に最初のパートで実験的な試みをやっているところは、新しいファンにはとてもエキサイティングかもしれないけれど、古いファンにはちょっとつらいかもしれない。(オリバー・ワング, Amazon.com)