新たな角度からのウルトラ研究
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『帰ってきたウルトラマン』のストーリーの原案を一本立てたことでも著名な小林氏が雑誌『宇宙船』に連載していた「形態学的怪獣論」を一書としたもの。近年、『ウルトラマン』シリーズはその作品世界の奥深さから、様々な面からのアプローチがはかられてきた。その中でも、怪獣の形そのものについての評論というのはあまり記憶になく、そのよう意味でも本書は興味深いものと言える。ウルトラマンのデザインを創り上げた成田亨の著書『特撮と怪獣 わが造形美術』と合わせて、ビジュアル面からの『ウルトラマン』を理解する手助けとなる。